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BIMIとVMC(認証マーク証明書)の導入手順ガイド 企業メールの信頼性とブランド力を高める方法

BIMIとVMC(認証マーク証明書)は、メールマーケティングや顧客対応において、信頼性のあるメール送信は企業ブランドの価値を守るうえで非常に重要です。メールに企業ロゴを表示する新しい送信ドメイン認証方式で、なりすましやフィッシング詐欺を防ぎ、開封率やブランド認知度を向上させることができます。この記事では、その導入方法を詳しく解説します。

BIMI・VMC(認証マーク証明書)とは?

BIMI (Brand Indicators for Message Identification) と VMC (Verified Mark Certificate) は、どちらもメールのセキュリティと信頼性を高めるための技術です。BIMIはメール送信者が自社のブランドロゴを受信者のメールクライアントに表示することを可能にする規格で、VMC(認証マーク証明書)は、BIMIの実装に必要なデジタル証明書です。DMARC認証を通過したメールに、企業の公式ロゴを表示することができます。
また、VMCと類似の認証マーク証明書に「CMC(コモンマーク証明書)」がありますが、VMCはロゴ商標を「取得したロゴ」に適用できる証明書、対してCMCはロゴ商標を「取得していないロゴ」に適用できる証明書になります。

ロゴの表示方法について

導入のメリット

  • 【メリット1】ブランド認知度の向上
  • 【メリット2】メールの開封率アップ※Verizon Mediaの実験では平均10%向上。
  • 【メリット3】フィッシング詐欺やなりすましメールの防止
  • 【メリット4】顧客との信頼関係の強化

今、なぜBIMI/VMC導入が求められているか​?

2025年4月に金融庁が発表した証券口座乗っ取りによる不正売買が3000億円超となったニュースは記憶に新しいですが、現在の傾向から今後も増加していくものと考えられます。さらに、生成AIの登場で日本語バリアがなくなり、日本人ターゲットの高度な詐欺が増えています。だからこそ、企業の信頼・ブランドイメージを守るためにも多くの企業で BIMI/VMC 導入が検討されています。
(参考:金融庁「インターネット取引サービスへの不正アクセス・不正取引による被害が急増しています」)

国内のフィッシング情報の届け出件数

フィッシング情報の届け出件数は年々増加傾向にあり、驚異的なスピードで増加しています。
(引用元:フィッシング対策協議会「フィッシングレポート2025」)

国内のブランド名を悪用された企業の件数

ブランド名を悪用された企業件数も増加傾向にあります。
(引用元:フィッシング対策協議会「フィッシングレポート2025」)

導入までの手順

BIMI/VMC(認証マーク証明書)の導入にあたって、事前準備~導入までの一連の流れをご紹介します。

[ 1 ]導入前の準備:BIMIで運用するEメールアドレスのドメインのリストアップ

BIMIで運用するEメールアドレスのドメインをリストアップします。 送付元Eメールアドレスとロゴの組み合わせで必要な認証マーク証明書の枚数が異なります。詳しくは以下のURLの「よくある質問/Q5. メールアドレス用のドメインを複数使用しています。ドメインごとにVMCを購入する必要がありますか?」をご確認ください。

※BIMI導入には、対象ドメインだけでなくサブドメインも含めたDMARC設定の整備が不可欠であり、メールセキュリティを維持するにはドメイン全体を統括するガバナンスが極めて重要です。サブドメインを含めて複数のドメインを管理されている場合、VMC導入サポート企業への相談がおすすめです。

[ 2 ]導入前の準備:ロゴと証明書を確認

認証マーク証明書に利用するロゴが商標登録されているか確認します。商標・ロゴの登録状況により、VMC(認証マーク証明書)または CMC(コモンマーク証明書)から選択可能です。VMC利用の場合は、ロゴの商標登録が必要です。

[ 3 ]メール認証技術の設定

  • DNSサーバーにSPF、DKIM、DMARCレコードを追加します。
  • DMARCポリシーを適切に設定します。(例:v=DMARC1; p=reject; rua=mailto:dmarc@example.com) ※DMARCポリシーはドメイン配下のすべてのメールに影響するため、ビジネスメールや自動返信、外部サービス経由の配信も含めて認証状況を把握しないと、正当なメールが届かなくなるリスクがあります。影響範囲などをご確認いただいた上で実施ください。

[ 4 ]ロゴ商標の登録

VMC(認証マーク証明書)の取得には、正式な商標登録証の提出が必要になります。 ※ロゴ商標を登録済み、またはCMC(コモンマーク証明書)の導入の場合、このステップは不要です。次項目の[ 5 ]ロゴデータの準備に進んでください。

商標登録の流れ(日本の場合)
1. 商標出願の準備
  • 商標(ロゴ)を使用する商品・サービスを明確にします。
  • 願書を作成します(ロゴ画像、指定商品・役務、出願人情報など)。
2. 特許庁への出願
  • 願書を提出します(電子または書面)。
  • 出願料の納付します。
3. 審査と登録
  • 審査に合格後、登録料を納付します。※登録査定(審査結果通知)に、通常7〜10ヶ月程度かかります。
4. 登録証の交付 ※VMCの取得には、この「商標登録証」が必要になります。
商標登録の注意点
  • ロゴの色:色を指定する場合、色違いのバージョンを使用できません。
  • 先行商標調査:J-PlatPatなどで類似商標がないか事前確認が必要です。

[ 5 ]ロゴデータの準備

SVG Portable/Secure (SVG-P/S) プロファイルに準拠したロゴを用意します。指定のファイル形式の準備には、以下の方法があります。

  • Adobe Illustratorでファイル形式を変換。
  • BIMIワーキンググループのグラフィック変換ツールを利用。

[ 6 ]VMC(認証マーク証明書)の取得

  • VMC(認証マーク証明書)を購入します。※CMC(コモンマーク証明書)の取得の場合も、このステップで購入します。
  • 認証局(例:デジサート)に申請する。ロゴの所有権と商標登録を証明するなど必要な手続きを経て、証明書を取得します。

[ 7 ]BIMIレコードの作成とDNSへの追加

例)v=BIMI1;l=https://vmc.example.com/logo.svg;a=https://vmc.example.com/cert.pem

[ 8 ]動作確認

  • BIMI InspectorなどのツールでBIMIレコードとメール認証の状態を確認します。
  • Gmailなど対応メールサービスでロゴ表示をテストします。

注意点

  • BIMI対応に専門的な知識が必要となります。※DNS設定が必須の為、ミスが発生するとメール配信に支障が出る可能性あります。
  • VMC(認証マーク証明書)取得に必要なロゴ商標登録には、半年以上の時間と費用が発生するため、計画的に行う必要があります。
  • BIMIは比較的新しい技術のため、対応メールサービスは限定的です(Gmail、Apple Mailなど)。※BIMIはすべてのメールサービスで対応しているわけではなく、現時点では非対応の場合(ロゴが表示されない)もあります。しかしながら対応状況は今後拡大が見込まれるため、最新情報は各プロバイダーの案内を確認してください。

まとめ

BIMIとVMC(認証マーク証明書)の導入は、企業のメール信頼性を高め、ブランド力を強化する有効な手段です。セキュリティ対策とマーケティング効果の両面から、今後ますます注目される技術です。

ANKA MARTではBIMIの導入時に必要なVMCを特別価格で取り扱っています。世界標準で最も普及しているSSL証明書ブランド「デジサート」のVMCは、最大「96,730円(税別)」引き、国内で電子証明書ベンダーとして20年以上の実績を誇る「グローバルサイン」のVMC2025年10月より取扱を開始しました。ぜひこの機会をご活用ください。

導入には一定の準備と技術的な知識が必要ですが、VMC導入サポートを提供している企業の支援を受けることでスムーズに進めることができます。ANKA MARTよりVMC導入サポート企業のご紹介もできます。ご希望の際は、お問い合わせください。

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